ただ好きだという、この気持ち。

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バレンタインデー・キス2018-1(3)

 ハルタさんは照れた顔でこう言うと、まずは俺にホットミルクを作ってくれた。
 湯気を立てているマグの横に、続けて置かれたのは――何だろう。薄くて平たい箱。

「開けてみて」
 ハルタさんにそう言われて、俺はドキドキしながら包装をといた。
 中から出てきたのは、
「えっと・・・スプーン、の、セット?」

 箱の三分の二は透明フィルムでカバーされていて、二色のスプーンが違い違いに並べられていた。キャメルっぽいのとダークブラウン、見える範囲で二本ずつ。
 残り三分の一には紙カバーがかぶせられていて、スプーンを添えられたホットコーヒーの写真が印刷されていた。それを開けてみると、その下にも二色のスプーンが一本ずつ入っていた。つまり一色三本、計六本のスプーン。

「うん、スプーンなんだけど。実はこれ、チョコレートでできてるんだ。色が薄い方がミルクで、濃い方がビター。ホットミルクをそれで混ぜると、二種類の甘さのホットチョコレートが飲めるって仕組み。・・・ちょっと面白いかなと思って」
 照れた顔でそう言うハルタさんを見つめたまま、俺は胸がどんどん熱くなっていくのを感じていた。胸だけじゃなく、顔も。ていうか目元が特に。
「・・・ハルタさんありがとう。すごく、・・・すごく、う、」

 だって全然思ってなかったんだ。俺までプレゼントをもらえるなんて。
 完全に不意打ちで、心の準備も何もなかったから、こらえることもできなくて。
 嬉しい、って言う寸前で限界が来て、俺の目からぶわっと涙がこぼれてしまった。もちろんハルタさんは慌てて右往左往し、箱ティッシュを取りに走っただけじゃなく、箱からティッシュを何枚も引き出して俺に渡してくれた。驚かせてごめんなさい。
 
 まずは深呼吸して心を落ち着け、ティッシュで鼻もかんでから。
 おわびに俺も、ハルタさんにホットミルクを作った。
 ハルタさんがしてくれたみたいに、琺瑯の小鍋を弱火にかけてコトコトと沸かしてから、マグに移して丁寧に膜を取る。

「ハルタさんも一緒に飲もうよ、ホットチョコレート。どっちの味にしようかな、やっぱりミルクかな」
「じゃ俺はビター・・・それはそうと、ヒナタくんのそれ、もう冷めてない? あっため直した方がよくない?」
「大丈夫。・・・わあ見て、くるくるってしたらチョコレート色の渦ができるよ。可愛いね」
 
 チョコレートのスプーンでミルクを掻き混ぜながら、はしゃいだ声を上げた俺に、ハルタさんはもう一度笑った。
「うん。可愛いね」

 そう言ったハルタさんの声が、少し熱っぽかったせいかな。
 俺は耳まで真っ赤になりながら、ホットチョコレートを飲んだ。
 それは甘くて、すごく、・・・すごく、美味しかった。


end.


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Date:2018/02/07
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2018/02/07 【-】  # 

* Re: みなさまお大事に~(><)

hちゃんこんばんは~♪
おおう、大変だ(><) くれぐれもお大事にしておくれー!
私は今日は仕事で傷心なので、申し訳ない、これにてドロン。明日は元気にリコメできますように(苦笑)
2018/02/07 【なか】 URL #CRMl/nHo [編集] 

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