ただ好きだという、この気持ち。

□ 今だけ在ればいい。 □

ワンダフルライフ(31)

 翌朝、長谷川が目を覚ますと、傍らで眠っている筈の向井がいなかった。
「向井先生・・・?」
 起き上がり、呆然としたまま部屋を見回す。ベッドから降りようとすると、腰がみしりと鳴った。両股関節にも少し違和感がある。昨夜、自分が晒した痴態が切れ切れに蘇って、長谷川は一人で赤面した。
 が。

「向井先生!」
 向井がいない、という事実の前では、何もかもどうでもよかった。辺りに落ちていた衣服を慌ただしく身につけ、寝室を出てリビングへ向かう。
 すると、
「あ、長谷川、起きちゃったか。ごめんな、探したか?」

 ドアが開閉する音を耳に留め、玄関へと走っていくと。
 向井が靴を脱いでいるところだった。片手には、コンビニのロゴが入ったビニール袋を提げている。どうやら買い物に行っていたらしい。

「探しましたし、びっくりしました・・・起きたら先生がいなくて」
 まだ頭が寝ぼけているのか、それとも寝ている間に置いていかれたという衝撃からまだ醒めていないのか。長谷川は鸚鵡返しに、心の内を全て言葉にしてしまう。子供みたいな口調になっていると自分でも判ったが、取り繕うこともできない。

「うん、ごめん。おまえが寝てるうちにと思って走って行ってきたんだけど、間に合わなかったな」
 長谷川の元へと歩み寄ってきた向井は確かに、軽く息を切らしていた。鼻の頭も赤い。
 本当に走って往復したのだろう、と思うと、胸が熱くなった。思わず、向井に抱きついてしまう。
「・・・良かった。僕に愛想尽かして出てっちゃったのかと思いました」

 吐息と一緒にこぼれた本音に、向井が笑う気配がした。長谷川を抱きつかせたまま、髪をくしゃっと掻き混ぜるようにして撫でてくれる。
「何で? そんなことあるわけないだろ」
「だって昨夜の僕、いろいろと、その・・・乱れすぎっていうか」

 向井の胸元に顔を押しつけたままでぼそぼそと呟くと、今度は耳の後ろを指先でくすぐられた。反射的に肩がくねり、顔が上がってしまう。すると、
 視線の先には、向井の微苦笑があった。
「俺の方こそ昨夜はいろいろごめん。愛想尽かさないでいてくれると嬉しい」
「・・・そんなこと、」


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Date:2018/03/13
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2018/03/13 【-】  # 

* Re: きゅうう~んと鼻を鳴らすちわわ♪

hちゃんこんばんは~♪
花粉ね!こちらも猛威をふるっている模様よ!
私は今のところ、目がちょっと痒いかなーいや疲れ目かな?くらいな感じだけど、そのうち急にくるんだろうな(>_<)怖いよー。

チューリップの球根・・痩せてた気がする!
茎だけ伸びるパターンな気がするわ!
今後に注目です。ドキドキ。

さてさて今日の置いてけぼりちわわ♪
そうねー、向井先生を信じてないんじゃないんだろうけどねー・・自分を信じてないのかな(^^;
向井先生も、置き手紙とかしていってあげて!(^o^)
(でも気づかなさそう)

ていうか、向井先生としては、内緒で行ってきて、ジャージって見せたかったのかな♪
何を?かというと、明日のお楽しみです~(そんな大したもんじゃない・笑)
2018/03/13 【なか】 URL #hc9S4FeM [編集] 

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