ただ好きだという、この気持ち。

□ 今だけ在ればいい。 □

もどかしさと愉悦(1) ♥

【いつ何時でも君を想う/いっそこのまま/もどかしさと愉悦/隠した心が溢れ出る/愛しさは君を殺す】

 
 その夜、いつになくあの人は、俺を強引に抱いた。
 シティホテルのツインルーム。半ば無理矢理そこに引っ張って行かれた。
 シャワーこそ許してくれたが、まだろくに身体を拭いていないうちから引きずり出されて、ベッドに押し倒された。

 どうしたんですか、とか何とか、俺は口走ったと思う。
 それに対するあの人の答えはあまりにも直截で、二の句が告げなくなった。

「したい。駄目か」

 って今更――そもそも質問になってない。語尾だって上がってなかったし、俺の返事なんかハナから待つ気もない。
 噛むようなキスのあと深く舌を絡められて、息が止まりそうになる。
 そのまま降りていく唇は、俺の弱いところをもう完全に熟知している。
 肌に残ったシャワーの滴ごと吸い立て、俺を追い込んでいく。

「声、殺すな。もっと聞きたい。おまえが抱え込んでるもの、全部晒してみせろ。・・・奥の、奥まで」

 上気しきった身体に垂らしてきたその液体を称して、シロップだなんてあなたは言っていたけど。
 自分ですくって舐めてみたら確かに果実の香りがして、その上ひどく甘くて、いかにも女をとろかしそうな代物だと瞬間的にムカついたけど。
 あなたの手で塗り広げられるたびに快感の波が押し寄せて、何が何だか判らなくなった。

 自分の吐息が熱い。
 シーツについた両膝と両肘が軋む。もう身体を起こしていられず、シーツを抱え込むようにして上体を伏せてしまう。
 こんな格好、ますますあの人の思うがままだと判っているのに――それがとてつもなくくやしいのに、どこかで俺は、・・・誘っている。
 壊して欲しいと、ねだっている。
 壊れたいと――自分から、
 

 最奥を押し開いてあてがわれた、あの人の指先。そこにもきっとたっぷりと塗りつけられていた液体が、くちゅりと湿った音を立てる。
 押し当てられた指先の熱を、くっきりと感じる。
 反射的に逃げそうになった腰を掴んで引き戻される。と同時に、あの人の熱い身体が俺の背にのしかかってくる。耳元に唇をつけられ囁かれる、

「指を当ててるだけでほぐれてきた。ローション、これにして正解だったな。おまえの骨格と筋肉の形、その動きも、ぬめりながらくっきり浮かび上がって見えてる。そのくせ舐めると痺れそうに甘い味がして・・・最高にソソるよ。ココも、ほら・・・ヒクヒクしてる。可愛いな」

 微笑混じり。余裕綽々。くやしい。もっとくやしいのは、真逆の反応を示している自分自身だ。
 あんな囁きに簡単に脳まで掻き回されて、気づいたらあの人の指を半ば自分から迎え入れていて。
 しかも巧妙に焦らされて、いつの間にかねだっていた。
 あなたを、ください。と。

 そうだ、俺から望んだ。欲しいと願った。あなたを、・・・あなたの全てを。
 俺の裡に。
 
 


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Date:2014/07/06
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2014/07/07 【-】  # 

* Re: koさまv

(^_-)マーク、なるほど!(笑)
あっそれと、濁点もれも発見していただいて、ありがとうございました(><)
長谷川センセ、呂律が回ってな・・・嘘です。単なるミスタッチです。しょぼん。

スイッチ入りましたね~、向井センセ。
そもそもこの人、我慢するとかそういうこと、あんまりしそうにないですからね(^o^)
それに職業病ね! やっぱりありますよね♪
解剖学とかアトラスの図表とか、向井先生もそういうのを無意識に思い描きつつ、実際に手で辿りつつ・・・って感じなのでしょう。

次男さん、そっそうなんですね! ドキッ(いやそういう意味でなく、ってどういう!)
私もあんまりマッチョな方は、ちょっと・・・なので、普通程度でいいです(笑)
ムキムキじゃないけど、ダラけてもいない、適度に引き締まってる感じ。
その辺がいいですよね♪ といつしか筋肉談義(笑)

 
2014/07/07 【なか】 URL #hc9S4FeM [編集] 

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