ただ好きだという、この気持ち。

□ 今だけ在ればいい。 □

馬鹿がする馬鹿な恋(4) ♥

 ――守る必要なんてない。

* * *

 長谷川はアルコールに強い方じゃない。というか、弱い。
 だから、こんなふうに少し酒が入っている時は、
「おまえの口の中、舌も、いつもより熱いよ。・・・ここも、こっちも」
 どこが好きかなんて、とっくに知ってる。そのひとつひとつのポイントを、最初は軽く、それから強く刺激してやる。指先と手のひら、そして舌と唇、丹念に絡めて摘んで吸い立てて、声がこらえられなくなるまで。

「んんっ・・・あ、先生、の、指も・・・舌も、熱い・・・ですよ、」
 吐息で途切れる甘い声。懸命に言葉を辿りながら、俺にすがりついてくる指先。それを捉えて舌を這わせると、長谷川は喉を反らしてかぶりを振った。末端が弱いのは相変わらずだが、今日は一段と敏感だ。

「そりゃ、おまえが欲しくてしょうがないからな」
 俺の指を口元に持っていってやると、迷うことなく口に含む。その素直さがたまらなく愛しい。お礼に胸の突起を舌でねぶると、俺の指を含んだまま小さな声をこぼす。その調子でたっぷり濡らしてみろ、と囁いてやると、言葉にも感じたのか、びくりと長谷川の身体が震えた。
「おまえが濡らしてくれた指で、おまえのこと、うんと気持ち良くしてやる」

「ふぁ、ん、あ、くぅんっ・・・ん、あ!」
 小刻みに途切れる声は、どんどん切迫していく。昂ぶりを扱かれるのと同時に奥のきわどいところにも指を当てられ、我を忘れて溺れ始める。
 そんな長谷川は、保身という概念すら知らないかのように剥き出しだ。何もかも、奥まで俺に晒しながら、そうして懸命に俺を求めてくる。
 愛するなという方が無理だ、・・・こんな奴。

 本来の長谷川は、ガードがゆるい男では決してない。
 むしろ防壁は高い方だろう。人当たりの良さ、万人に対する穏やかさは、その裏返しだと俺は知っている。それが時に、こいつに負荷をかけていることも。
 だからこうして、何もかもかなぐり捨てさせてやる。欲望だけでいっぱいにして、ぎりぎりまで追い込んで、・・・俺のことしか感じられなくして。
 
 これまでのどの女にも訊いたことはなかった。行為の最中に、俺を好きかだなんてこと。
 なのに長谷川には、何度でも言わせたくなる。俺が好きだと。俺だけが好きだ、と。
「俺も好きだよ。・・・おまえのことが好きだ」
 自分でもそう繰り返して、そのたびにびくびくとヒクつく裡の熱と感触を被膜越しに確かめて。それでもまだ焦らしていると、涙声でねだられて、俺もたまらなくなる。
「ひろき・・・っ、」

 イキそうな時に名前を呼ばないでください、と後から毎回苦情を言い立てられるが、それでもこの瞬間、この名は自然に俺の口を突いて出る。
 こいつにも俺の名を呼ばせようと躍起になっていた時期もあったが、今はもうどっちでもいい。呼びたいように呼べばいい。どんなルールも禁忌もない。この瞬間、世界には俺とこいつしかいなくなる。それでもなお、守らなければならないものなんてあるか?
 そんなものはないだろう。
 おまえ以外には、・・・何も。

「あ、ふ、ぅぅん、あぅ、あ・・・あ、んっ、く!」
 奥へと、最初はゆるやかに、それから速度を増してストロークを送る。充分にほぐれた裡はのたうち、どんな快楽にも勝る酩酊感で俺を痺れさせる。
 腕を掴んで引き寄せ、振り向かせて唇を重ねると、熱い舌が絡みついてきた。喘ぎごと吸い取りながら、俺も舌を鳴らして応える。
 好きだよ。おまえが。
 馬鹿みたいに、おまえのことだけが好きだ。
 ・・・大貴。
 
 

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*お題配布元;【確かに恋だった】さま/遅過ぎた初恋を語る長文5題/ありがとうございます♪適宜抜き書きで5話の予定です。
 


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Date:2014/08/02
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2014/08/02 【-】  # 

* Re: koさまv

(^_^)マークですね♪ ありがとうございます♪

向井先生、愛玩フィルターかかってますから(笑)
長谷川先生の可愛さも、マッハゴーゴーですよね。さぞたまらんことでしょう(^o^)
そして、もっとメロメロにさせたくなるんです!
もうどうにも止まらない♬ですわ。ウホホ。

さて、明日で一応最終回です。
あさってからどうなるのかな~。書きたいネタはあるので、これからの原稿進行次第です。
小説がダメでも、せめてmemoくらいは更新できたらいいなあ。トホー。
2014/08/02 【なか】 URL #hc9S4FeM [編集] 

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