ただ好きだという、この気持ち。

□ 今だけ在ればいい。 □

白衣シンドローム(6)

「これが今日の検血の結果。見ての通り、特に問題なし。食道のヒダの有無はこれからカメラで診るけど、検査値的には貧血も否定的」
 近衛は、独特の穏やかな口調でそう言いながら、検査結果をスクロールして見せてくれた。確かに何の異常値もなし。オールクリアだ。
「じゃ、検査しようか」
 優莉にそう声をかけて近衛は立ち上がり、長谷川と向井にも目顔で合図をした。優莉もナースに促され、カーテンで仕切られた検査用ベッドに横たわる。

 結果からいうと、カメラの所見上も問題はなかった。鎮痛剤が効いていたらしく、優莉もおとなしくしていたし、嘔吐反射も最小限で済んだ。
 食道も問題なく通過し、胃内にもこれといって異常はなし。
「萎縮もないし、きれいな胃ですね」
 と向井も言えば、近衛もスコープを操りつつ、そうだなと応じる。

 長谷川もまた、モニターから目を離さないまま頷いた。医師の常として、最悪の場合を想定することから自由にはなれないが、冷静且つ客観的に病態を把握することが何よりも大切だ。それでいくと、近衛の診断が最も適切だと思われた。
 咽頭喉頭異常感症。または、咽頭神経症。
 鎮痛が効いてぼんやりとしている優莉を処置室に寝かせておいてから、長谷川と向井が一足先にその診断を聞いた。
「整形外科的疾患の除外もするべきだけど、まあ、優莉ちゃんの場合はそこまでは必要ないと思うよ。症状がひどくなるようなら再検、ってことで」 
 

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Date:2014/08/09
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2014/08/09 【-】  # 

* Re: koさまv

(*^_^*)マークありがとうございます♪

そしてこの場をお借りして、皆様、なかなかBLにならなくて申し訳ないですm(_ _)m
明日までご辛抱ください! あさってからは向井先生が戻ってきます。そして荒れ模様に突入します(おい)

あ、ところで、伝わりにくい書き方で済みません~。
こう、奇蹟とか、健康食品で病気が治ったりとかいうのを、無邪気に信じられないという意味で・・・
素人ゆえの強みというか自由さというか、そういうのがあるかなーと。
いろんな可能性を考慮してしまう=しなくてもいい心配をしちゃう、というかね。
けど、優莉ちゃんは異常なしで良かったです。

まあまあそう言わず、検査しないと異常の有無も判らなかったわけですから(^^)
とはいえ私も、数年前に職員検診で便鮮血(+)だった時、職場から大腸ファイバーを受けてこいと言われて受けて、異常なかった時はやっぱりそう思いました(苦笑)
大腸って検査前の処置がね、ツライんですよね。下剤がね。

とにかく健康が一番の宝です。しみじみ。
2014/08/09 【なか】 URL #hc9S4FeM [編集] 

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2014/08/09 【-】  # 

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