ただ好きだという、この気持ち。

□ 今だけ在ればいい。 □

白衣シンドローム(13)

 そう付け足されて、もう一度目頭がじんとした。
 でも今度は、泣かずに済んだ。それよりも微笑みたくて、だから長谷川は微笑んだ。ねぎの緑色に覆われた皿の上を見ながら、思いついた言葉をそのまま口にする。

「向井先生って、玉ねぎが嫌いで。というか、実はねぎ全般が嫌いで、向井先生の皿に入ったねぎは僕が受け持つことに決まってるんです。だからこういう注文、二人の時にはあり得なくて・・・」
「うん」
「ここに向井先生がいたらって思うと、可笑しいです。きっと顔をしかめて、自分はいらないって言って、ねぎを全部よけてあげてもまだぶつぶつ言って・・・そんなにねぎが嫌いなんですかってからかったら、そんなことないって言い張って。でも絶対に食べようとしないだろうなって」
「うん」

 近衛の声があんまり静かだから、長谷川は際限なく吐露してしまう。そのくせ、まだこんなふうに弁明したりもする。
 馬鹿みたいだ、と思った。いや、馬鹿そのものだ。
 ・・・こんなになってもまだ、俺は、
「誤解しないでいただきたいんですけど、向井先生はゲイってわけじゃないんです。ついでに言うと僕もなんですけど。ただ単に、お互いじゃなきゃダメで・・・どうしてだか判らないけど、ダメなんだって。・・・そう思ってた、んですけど」
「けど?」
「でも違ったんだな、と思って。・・・違ってて良かったのかも、とも」
「何で?」
 


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Date:2014/08/16
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2014/08/16 【-】  # 

* Re: koさまv

(*^_^*)マークありがとうございます♪

吐露しちゃってますよ~。もう止まりません。
でも場所がまずいですよね・・・こんな、病院の近くなんかでややこしい話を、しかも1対1でしてちゃ・・・!∑(・Д・・)
いや別に、男同士だし、何の問題もない筈なんですけど(笑)

明後日まではまだ、司先生のセラピーコーナーですが(最後にひっくり返りますけど)、その次からは向井先生が参入してますますこじれる予定です。
ていうか、そこは今から書くんですけど(T△T)アウアウ・・・
気を強く持ってがんばります。

あ、ねぎ焼き。
大阪と、何故か東京でも食べました(^^) もう何年も前だけど、美味しかったなあ~。
広島で食べようとすると、「ねぎトッピング」になるんですよね。
でも私も好きですv 
あつあつのお好み焼きの上にどっさりかかった冷たいねぎ、ってベストバランスだと思います(^^)
2014/08/16 【なか】 URL #hc9S4FeM [編集] 

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