ただ好きだという、この気持ち。

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2016/02/01
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(32) ✖
2016/02/02
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(33) ✖
2016/02/03
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(34)
2016/02/04
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(35)
2016/02/05
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(36) 
2016/02/06
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(37) ♥
2016/02/07
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(38) ♥
2016/02/07
memo] 【愛唱歌】Byrd
2016/02/08
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(39) ♥
2016/02/09
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(40) ♥
2016/02/10
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(41)
2016/02/11
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(42)
2016/02/12
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(43)
2016/02/13
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(44)
2016/02/13
拍手御礼SS & etc] バレンタインデー・キス-1(1)
2016/02/13
拍手御礼SS & etc] バレンタインデー・キス-1(2)
2016/02/13
拍手御礼SS & etc] バレンタインデー・キス-1(3)
2016/02/13
拍手御礼SS & etc] バレンタインデー・キス-1(4)
2016/02/14
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(45)
2016/02/14
拍手御礼SS & etc] バレンタインデー・キス-2(1)
2016/02/14
拍手御礼SS & etc] バレンタインデー・キス-2(2)
2016/02/14
拍手御礼SS & etc] バレンタインデー・キス-2(3)
2016/02/14
拍手御礼SS & etc] バレンタインデー・キス-2(4)
2016/02/14
memo] 【愛唱歌】南風
2016/02/15
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(46)
2016/02/16
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(47)
2016/02/17
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(48)
2016/02/18
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(49)
2016/02/19
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(50)
2016/02/20
今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(51)
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今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(32) ✖

 概要: 「別の誰かのことを考えながら抱かれるのは嫌だ、ってこと? それじゃまるで、俺のこと好きみたいだよ」 急に指を引き抜かれて、ビクッと身体全体で震えてしまう。そんな姿を忍足に晒しているのがくやしくてたまらなかったけれど、今は自分のそんな感情に構っていられなかった。今ここで言わなければならないことがある。 そう思ったから、長谷川はぎくしゃくとした動きで忍足を振り返った。 涙が止まらないせいでひどい顔にな...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(33) ✖

 概要:  今俺はクスリのせいでどうかしてるから。 そう自分に言い訳をして、長谷川は、頭に浮かんだことをそのまま口にした。懸命に呼吸を整えながら、それでもどうしても途切れてしまう言葉と言葉を、必死でつなぎ合わせるようにして。「稔くんが、抱かれたかったのは、向井先生じゃなくて、あなただったんだと思います。その気持ちが、あなたに、届かないのが、辛くて、それで絶望したんです。・・・きっと、そうだと思います」「・・・そん...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(34)

 概要:  こんな長広舌を、きちんと言葉にすることなど到底、今の長谷川にはできなかったけれど。 それでも長谷川が言いたいことは、忍足にも伝わったらしい。妙に優しい動作で、忍足は長谷川を抱きしめてきた。 それから、自分の額を長谷川のそれにくっつける。呟いた声は小さかった。「・・・それじゃやっぱり、悪いのは俺じゃないか。稔を死なせたのも、俺なんじゃないか」「そう、ですよ。あなた自分でも、そう言ってた、じゃないです...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(35)

 概要:  言われて前に目をやると、もう布地にまでにじんでいて、長谷川は改めて頬に血が上るのを感じた。 ぎくしゃくした動作で衣服を直そうとしたが、肌に擦れるだけで息が上がってしまう。 しっかり着ようとすると、逆に腰が立たなくなりそうだったから、最小限に留めた。ただ、コートだけはきちんと着込み、震える手で前を搔き合わせる。これで一応誤魔化せるだろう。「トイレで抜いていく?」 一方の忍足はあくまでも意地悪げな口...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(36) 

 概要:  ホテルの前に待機していたタクシーにそのまま乗り込み、自宅へと急ぐ途中で、上着の内ポケットに入れっぱなしにしていた携帯が振動した。 思わずびくっとしたのは、先刻の「非通知電話」の記憶が蘇ったからばかりではない。携帯のバイブレーションすら、今の長谷川には辛すぎる刺激だった。 けれど、「・・・向井、先生?」 時計を見る余裕はなかったが、二十二時なのだろうと思った。昨日までと同じ、定期連絡だ。 でも、と長...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(37) ♥

 概要:  自分の部屋でもその隣でも、灯りがついている方の鍵を開けよう。そう思いながらタクシーを降り、マンションを見上げた。 そうしてようやく帰り着いたのは、三○六号室。向井の部屋だった。ただし、鍵を開けたつもりがかけてしまって、内側からまた解錠してもらう羽目になったけれど。「先生、鍵、かけとかないと・・・危な、」 こんな小言、省きたいのに。そう思いながらも言いかけた長谷川だったが、玄関先で向井にいきなり両腕を...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(38) ♥

 概要:  ベッドに辿り着くまでの間に、忍足の「跡」は向井によって全て舐め取られ、指でもぬぐい去られて、その都度長谷川は達した。 廊下だかリビングだかに、長谷川のワイシャツも落ちている筈だが、それを洗濯機に放り込む時にはさぞかし恥ずかしいだろうなと、長谷川は朦朧とした頭で考える。くしゃくしゃに皺が寄り、前の二カ所は唾液で透けたワイシャツ。  唇も口腔内も、ひりひりするほどにむさぼられた後だ。耳朶も、胸の先端...

memo] 【愛唱歌】Byrd

 概要:  「誓うのは永遠じゃなく」連載中でございます。全60回ですので、後半に入ってますね。 長谷川先生が向井先生の元に帰り着いてから2回目になりますが、やっぱりこの人たちは、ジグソーパズルの中の隣合ったピースだなあと思いました。 いびつで、デコボコもあるけど、その形は互いの凹凸を埋めるようにできていて、唯一無二。 長谷川先生が向井先生のところに戻れて、一番安心しているのは作者の私かもしれません。 そんなこ...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(39) ♥

 概要: 「先生じゃなきゃ、絶対、嫌だ、って・・・思った、んです」「うん」「俺、先生の言いつけ、破って、バカなこと、したけど・・・逃げてきたとこだけは、えらかった・・・ですか」「うん。そこだけは偉かった」「じゃ、・・・ご褒美、たくさん、ください」 向井の頬へと手を当ててキスをねだると、向井は小さく微笑んでから、深くてたっぷりとしたキスをくれた。長谷川も夢中で舌を返す。 もうこれだけで達してしまいそうだ、と長谷川が思った...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(40) ♥

 概要:  なんかよく判んないけどひどいです、と涙目で訴えた長谷川をキスで宥め、向井は長谷川の髪を洗ってくれた。 次いで、自分の手のひらの上でボディソープを泡立てると、長谷川の身体も洗ってくれる。丁寧に。「んっ・・・なんで、素手、」「だって、こんなポリエステルのボディタオルでこすったら、おまえまた失神しちまうだろう」「失神、まではっ・・・っあ、」 長谷川が声を上げるのに呼応して、どんどんなめらかに、ゆるやかになっ...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(41)

 概要:  日曜。 長谷川は少し熱を出して、向井から一日安静を厳命された。「大丈夫ですよ。疲れが出ただけだと思いますから」 長谷川がそう言っても無駄で、「発熱したってことは身体が休めってサインを出してるってことだ。だからおとなしくそれに従え」 明快な論理で言い負かされ、仕方なく頷く。でもそのすぐ後で、こう言ってみるのを忘れなかった。「このまま向井先生のベッドを使っていていいのなら、おとなしく寝てます。それと...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(42)

 概要: 「忍足、先生・・・のことは、」 向井はそんなふうにして話し始めた。忍足に「先生」を付けようか付けまいか迷った末、やはり「先生」付けで呼ぶことにしたらしい。 たったそれだけのことで、長谷川の胸は熱くなってしまう。そしてしみじみと噛みしめるようにして思う、やっぱり俺はこの人のことが大好きだと。 一方の向井は、目を伏せたまま淡々と話を続けた。「一言で言えば、そうだな・・・憧れてたよ。あんな医者になりたいと思っ...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(43)

 概要: 「俺のこと、稔くんが好きでいてくれたのかどうか・・・申し訳ないけど、俺には判らない。稔くんのことを今でも鮮明に覚えているのは、俺が最初に看取った患者さんだったからだ」 大丈夫だと、もう手を離れたと思っていた人が突如、死に瀕した状態で運び込まれてきて、処置の何ひとつとして追いつかないままに生命活動を止める。その理不尽さ。家族の非難の目。もう少し何とかできたんじゃないかという自責。その一方で、どうしよう...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(44)

 概要:  ふるふる、と長谷川は首を横に振った。先刻から懸命に言葉を探しているのに、まだ見つけられないでいた。 そんな長谷川を、向井は改めて抱きしめてきた。髪に触れ、優しく撫でてくれる。そうしながら、不意にこんなことを訊く。「・・・おまえが俺にしてくれた告白。覚えてるか?」「はい、」 ようやく言葉を差し出すことができたのは嬉しかったが、よりによってそれを持ち出しますかと言いたくもなった。 覚えてる。というより...

拍手御礼SS & etc] バレンタインデー・キス-1(1)

 概要:  向井にはまだ言っていないことだけれど、学とメル友になって五ヶ月目になる。 近衛に宛てた引っ越しハガキは、向井と一緒にポストに投函した。その時に長谷川は自分のハガキに、アドレスと一緒にメッセージを書き添えていたのだ。よかったら学くんもメールください、と。 そうしたら、すぐにメールが来た。お隣さん生活開始おめでとうございます、というのが初メールの内容で、自分のことのように喜んでくれたのがくすぐったく...

拍手御礼SS & etc] バレンタインデー・キス-1(2)

 概要:  今年のバレンタインデーは日曜日と重なっているので、職場関係は金曜日が実質的な「当日」となった。 向井のことばかりに気を取られていたが、長谷川は長谷川で、B4サイズの紙袋を両手に一つずつ提げて帰途につくことになってしまった。 去年は一かけらずつ食べてから実家へ持って行ったが、今年はもう差出人の名前と所属だけ控えたら、そのまま実家に宅配便で送ってしまおう。 そんな薄情なことを考えてしまうのも、これか...

拍手御礼SS & etc] バレンタインデー・キス-1(3)

 概要:  ネットで探したら、ちゃんとあった。しかも、注文後速やかに届いた。商品名を上手にぼかして記入された伝票を見て、長谷川は苦笑したものだ。誰かが言っていたとおり、確かに便利な世の中になった。 そして。 入念にシャワーを浴びてから、夕食の食材――といっても白菜と豆腐と鱈という鍋セットだが――と一緒に、その小さな包みを隠し持って、長谷川は隣の部屋を訪れた。 だが食材の方は、何となく予想はしていたが、「後でいい...

拍手御礼SS & etc] バレンタインデー・キス-1(4)

 概要:  微笑を浮かべた唇に見とれているうちに、気づいたらキスされていた。 ふ、と息が鼻に抜ける。向井の舌先で右から左へと横一文字になぞられ、長谷川の唇はふわりと緩んだ。「ん・・・っ、」 待ちかねていたように差し入れられてきた向井の舌を夢中で受け止めながら、長谷川は無意識に向井のシャツの胸元を握りしめていた。涙目になりつつも、キスの合間に懸命に尋ねる。「ほん、とに・・・? 呆れて、な・・・?」 バカ、と囁かれた声...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(45)

 概要:  そんな向井の言葉を、長谷川は何とか最後まで聞いていた。 否、正確には、向井が言い終わる直前には既に、向井の頬に両手を添えていた。そしてそのまま、唇を重ねた。「長谷、んっ、」 いつになく戸惑っているその様子が、憎らしくて愛おしくて、どうにかなりそうだった。ここぞとばかりに乱暴に舌を使って、好き勝手に口腔内を蹂躙してやる。 それから、「何、バカなこと、言ってるんですか!?」 唇が離れるのと同時に、長谷...

拍手御礼SS & etc] バレンタインデー・キス-2(1)

 概要: 「もうねー、長谷川先生、悩みが可愛すぎるんですよ」 テーブルに設置したカセットコンロに乗せた土鍋では、おでんがぐつぐつといい音を立てている。それを挟んだ向かい側で、学がこう嘆息しながら報告してくれるのを、司は興味深く聞いた。「バレンタインに、向井先生に何をあげたらいいか・・・ね。確かに可愛い悩みだなあ」「甘いものが嫌いな人だから、ってね、すんごい真剣なんですよ」 んー、と司も一緒になって考えてみる。...

拍手御礼SS & etc] バレンタインデー・キス-2(2)

 概要:  鯛焼きが好物なのだと認定されてしまったのには、理由がある。 半ば自己弁護的に、司は思い返してみる。自分がいかに子供っぽいかという結論に至ってしまうのがいささか情けないけれど。 要約すればこうだ。食べ物の好みがいくつか学と食い違った中、鯛焼きの食べ方は一致した。司も学も、尻尾を最後にとっておいて、味わって食べるタイプだった。それがことのほか嬉しくて喜んだ。・・・喜びすぎた。鯛焼きが大好物だと思い込ま...

拍手御礼SS & etc] バレンタインデー・キス-2(3)

 概要:  ほんとは近場にもいろいろあるんだと思うんだけど、と学は言った。「個人的にですけど、俺が今まで食べた中で一番旨いと思ったやつの、それも焼きたてを司さんに食べて欲しくて」 そうして連れて行かれたのは、東京駅から中央線に乗り換えて三十分ほどいったところにある街だった。 狭い路地の商店街の中に軒を連ねているその店は、司は初めて行ったのにも関わらず、ひどく懐かしい感じがした。 子供の頃、ランドセルを家に放...

拍手御礼SS & etc] バレンタインデー・キス-2(4)

 概要:  その後も街をぶらぶらしてから、適当なところでまた電車に乗って帰った。 司としてはこれで充分満足だったのだが、「何言ってんですか。今日が本当のバレンタインデーでしょ」 日曜の朝、学にそう言われてしまった。ええと、と司はぼりぼりと頭を掻く。カレンダー的にはそうだけど。「ネットで調べてみたら、意外に簡単にできるみたいで。一回練習してみたけど、うまくいきました」 ただこれ、生クリームが余っちゃうのが困り...

memo] 【愛唱歌】南風

 概要:  パレンタインデーもあと6時間で終了です。 例年、リアルでも小説上でも、大したことはしない(つかできない)私なのですが、今年はスペシャル短編を書かせていただきました! リクエストをいただけたこと自体が幸せで、うきうきしながら書きました。 「拍手御礼SS&etc」というカテゴリに入れておりますので、未読の方、お時間ありましたら是非見てやってくださいませ。 そんなバレンタインスペシャルを書いている間のBGMは...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(46)

 概要: 「・・・うん」 背中がふわりとあたたかくなったかと思うと、ぐいと抱き寄せられた。髪を、次いで頬を撫でてくれる手の優しさに、また涙があふれてしまう。「確かに俺が言ったんだけど。おまえが終わりにしたくなるまでの間、って。でももしも、じゃあもう別れるって言われてたら、どんな手を使ってでも引き留めるつもりだった。良かった、ああ言ってくれて」「・・・もおっ・・・ほんとは、俺がああ言うの、予測してたんでしょう」「そん...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(47)

 概要:  その夜もくっつき合って眠った。夢も見ない、深い眠りだった。 そのおかげか、月曜の朝には長谷川の熱も引いていた。「じゃ僕、一旦部屋に戻ってそのまま出勤します」 だから向井にこう言ったら、向井は少し複雑そうな顔をした。  もう一日寝ていた方がいいんじゃないか、と言いたいのを、簡単に休めと言ってしまえない仕事だという認識が邪魔しているんだろう。そう長谷川は推測し、ちょっと可笑しくなった。向井先生ってほ...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(48)

 概要:  もう平気です。向井にはそう言ったけれど。 やはり本音では、できることなら忍足とは顔を合わせたくなかった。 一服盛られてホテルの部屋に連れ込まれ、無理矢理触れられながら向井とのことを侮辱に近い形で揶揄された。あの時感じた憤りも、それに恐怖も嫌悪感も、向井といれば遠く退けていられたし、いつかは克服できると自分でも判っている。 だけど、と長谷川は唇を噛む。 すぐには無理だ。 だからといって、忍足を避け...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(49)

 概要:  そこに立っている忍足は、憎らしいくらいに「いつも通り」だった。爽やかな佇まいも、穏やかな微笑も。「まあそう警戒しないで。いいものあげるからさ」 白衣のポケットから忍足が取り出した平たい缶に、長谷川の眉が寄る。何ですかそれ、と、本当は聞きたくないのに訊いてしまう。「ん? 三日前、きみに飲ませたやつの軟膏バージョン。恋人とマンネリになったら使ってみるといいよ。多分これもよく効くと思うから」「・・・っ、...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(50)

 概要:  かくてまたしても、うかうかと忍足の口車に乗せられてこんな所まで来てしまった。 そう思うと忸怩たるものがあるし、この行動が向井に知られたらきっとまたこっぴどく叱られる。 それは判っていたけれど、長谷川にも言い分はある。  とにかく因縁の深い二人だ。直接対決なんかさせて、万一のことがあったら。 というより、忍足先生がこれ以上向井先生を傷つけるつもりなら。 ソファの奥側に引っ込んで背を丸め、わざわざコ...

今だけ在ればいい。] 誓うのは永遠じゃなく(51)

 概要:  向井のその指摘に、びく、と長谷川は身じろぎしてしまったのだけれど。 きっと忍足は、微動だにしなかったに違いない。返した声音も、穏やかすぎるくらいに穏やかだったから。「きみたちはどうしてそう、俺を善人扱いしたがるのかな。長谷川先生もそうだったよ。自分がどんな状況に陥ってるのか判らなかったわけでもあるまいに、変な気ばかり回して、勝手に感情移入して。もうちょっと危機意識を持った方がいいね、彼は」「最後...
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