ただ好きだという、この気持ち。

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2017/03/02
今だけ在ればいい。] おくりもの(1)
2017/03/03
今だけ在ればいい。] おくりもの(2)
2017/03/03
memo] 拍手御礼SS更新0303
2017/03/04
今だけ在ればいい。] おくりもの(3)
2017/03/05
今だけ在ればいい。] おくりもの(4)
2017/03/06
a piece of cake] a piece of cake(1)
2017/03/07
a piece of cake] a piece of cake(2)
2017/03/08
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2017/03/09
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2017/03/14
a piece of cake] a piece of cake(9)
2017/03/15
a piece of cake] a piece of cake(recipe)
2017/03/16
a piece of cake] a piece of cake◆あとがき
2017/03/17
memo] 【愛唱歌】春を歌にして
2017/03/18
ビターエンド] ビターエンド(28)
2017/03/19
ビターエンド] ビターエンド(29)
2017/03/20
ビターエンド] ビターエンド(30)
2017/03/21
ビターエンド] ビターエンド(31)
2017/03/22
ビターエンド] ビターエンド(32)
2017/03/23
ビターエンド] ビターエンド(33)
2017/03/24
ビターエンド] ビターエンド(34)
2017/03/25
ビターエンド] ビターエンド(35)
2017/03/26
ビターエンド] ビターエンド(36)
2017/03/27
ビターエンド] ビターエンド(37)
2017/03/28
ビターエンド] ビターエンド(38)
2017/03/29
ビターエンド] ビターエンド(39)
2017/03/30
ビターエンド] ビターエンド(40)
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今だけ在ればいい。] おくりもの(1)

 概要:  三月三日。それが長谷川の誕生日だ。 もっとも長谷川自身は、この事実が甚だ気に入らないようで、付き合い始めた一年目は素知らぬ顔で当日をやり過ごした。 とはいえ、そんな長谷川を責める資格は俺にはない。俺も自分の誕生日が嫌いなクチで、敢えて自己申告せずにいたから。 それがバレたのは、――何の話をしていた時だったろうか。 付き合い出してから二年目のクリスマス前だった、ということは確かだが、細かいことはもう...

今だけ在ればいい。] おくりもの(2)

 概要:  かくて三月三日がやってきた。 俺は最大限に早く病院を出て、家路を急いだ。必要な買い物は全て済ませておいたので、あとは長谷川より早く自室に帰りついて、部屋をあたためて鍋の下準備をするだけで良かった。 こういう時、長谷川は決して外さない。 『今、駅に着きました。』そんなメールが着信したのは、俺が課題全てをクリアしてホッと一息ついた時だった。 携帯の画面を見下ろしたまま、俺は目元がほころぶのを感じる。...

memo] 拍手御礼SS更新0303

 概要:  拍手御礼SS、更新しました! ってもうすぐ21時・・・! 今日一日かかってしまいました。ああ、なんてトロい! とにもかくにも、真冬ネタからようやく脱却できて、ほっと一安心です。 今回のネタは、季節ものど真ん中というほどではないので、しばらく置いておけるかななんて・・・いやもとい。一ヶ月を目処にチェンジしたいと思います。 さて今回は、6回になってます。例によってリピートですので、ポチポチと押してみていただけ...

今だけ在ればいい。] おくりもの(3)

 概要:  水炊きは今回も上出来だった。 その他の鍋は、具材を放り込めばいいだろ程度の認識しかない俺だが、水炊きは違う。長谷川の好物だと知って以来、簡単にしかも旨く作る方法をいろいろと研究した。 その結果辿り着いたのがこれだ。 鶏肉は骨付きのものを使う。鶏ガラスープの素と生姜を煮立てたスープはたっぷり作る。そこへ鶏肉を入れて弱中火で煮る際に、アクはこまめに取る。三十分ほどコトコト煮たら、一旦鶏肉は引き上げ、...

今だけ在ればいい。] おくりもの(4)

 概要:  その後は順番に風呂に入って、そのままベッドへ。 とはいえ、今夜はハグだけだ。そう決めていた。長谷川は俺の頬に鼻先をこすりつけながら、もの問いたげに俺を見つめてきたけれど、俺は笑って頭を撫でてやった。「うん、それは明日たっぷりな。今夜は、おまえのこと――」 自分が何を言おうとしているのかに気づいて思わず絶句した俺を、長谷川は急かす。「何ですか? 最後までちゃんと言ってください」 だから俺は渋々、続き...

a piece of cake] a piece of cake(1)

 概要:  ――えーっと・・・俺さ、牛乳買って、家に戻るとこなんだけど。きみ、先刻もそこにいたよね。 それが、ハルタさんが俺にかけてくれた最初の言葉だ。 その時俺は高校を何とか卒業したばかりで、といっても卒業式には出ずに制服のまま電車に乗ってこの街に来た。 ――その制服、どこの学校か判らないけど、見た感じ高校生? どうしたの、道に迷った?  同性しか好きになれないことが家族にバレたのは高三の夏。それまでは一応人並...

a piece of cake] a piece of cake(2)

 概要:  どうしてこんなに良くしてくれるんですか、と、勿論俺は訊いた。 あんな路地裏でうずくまる羽目になった理由については、スープ皿に涙をぽたぽた落としながらぶちまけてしまっていたので、ハルタさんはもう全部承知してた筈だった。なのにどうしてそんなふうに言ってくれるんですか。俺のこと気持ち悪くないんですか。俺、どうやったらハルタさんにお礼できますか。夜にハルタさんの布団の中に行ったらいいですか。 ――え、別に...

a piece of cake] a piece of cake(3)

 概要:  『もう一品』は二階建ての民家の一階に店を構えている。 通りに面した方が店舗になっていて、奥が――ハルタさんの言うとおり「戸ひとつ隔てた向こう側」――がハルタさんの居住スペースだ。二階に住んでいるのは大家のおばあちゃんで、ハルタさんとは血のつながりはないらしい。 不思議な間取りだなあと思っていたら、ハルタさんが解説してくれた。「俺が学生の頃は、おばあちゃんが一階に住んでて精肉屋をやってたんだ。で、俺が...

a piece of cake] a piece of cake(4)

 概要:  こんなにもハルタさんと、ハルタさんの料理が好きな俺だから、売り子の仕事は向いてると思う。 地元にいた時は、他人と口をきくのが苦手だった。皆、俺のことを笑ってる気がしたし、俺と口なんかききたくないだろうなって思ってたから。 でもハルタさんの役に立てるなら――というか、ハルタさんの料理を純粋に勧めたくて、来てくれたお客さんにはどうしたって笑顔になるし、お勧めを訊かれたら熱心に答えてしまう。「今日は、さ...

a piece of cake] a piece of cake(5)

 概要:  ご両親を心配させちゃいけないよ、とおばあちゃんは最初から言っていた。「ここに住むのは、春田くんとヒナちゃんがいいならいいけどさ。でもご両親には連絡しないと」 心配してないと思う、と俺がぼそぼそ答えると、おばあちゃんは眉間に皺を寄せた。「いなくなってホッとしてると思う」 おばあちゃんを悲しませたくはなかったけど、でも本当にそう思っていたから、俺はなおも言葉を継いだ。だけどおばあちゃんの目を見ること...

a piece of cake] a piece of cake(6)

 概要: 「・・・ハルタさんってバカじゃないの!? どこまで人がいいんだよ!」 泣きたいのと怒りたいのとが入り交じって、頭がぐちゃぐちゃになった。顔もきっと、ぐちゃぐちゃだったと思う。こんなのハルタさんに見せたくないなってちらっと思った。こんなブスな顔見せたら嫌われちゃうな。 ただでさえどうでもいいと思われてるのに、今度こそ嫌われちゃうな。「俺、ダイの生まれ代わりじゃないんだよ。人間なんだから悪いこともするし、...

a piece of cake] a piece of cake(7)

 概要:  ダメといえば鼻水が限界。そう思ったのと同時に、ハルタさんがひょいと腕を伸ばして、ティッシュの箱を取ってくれた。剥いたグリンピースを入れてたボウルの横にあったやつ。 それを俺に押しつけながら、ハルタさんはなおも言う。だんだん早口になって、口調も怒ってるみたいになっていく。こんなハルタさん初めてだ。何だろう、・・・どきどきする。 「ダイに似てるからなんて、子供だましの言い訳だよ。俺の方こそ何百回も思っ...

a piece of cake] a piece of cake(8)

 概要:  ハルタさんのポタージュは春キャベツと新玉ねぎにシフトした。 俺は玉ねぎを薄切りにするところを手伝わせてもらっている。それと、隠し味に入れるじゃがいもの皮剥きと薄切り。あ、売り子も勿論。これはもう、俺の仕事だから。 両親には、便せんに一枚、手紙を書いた。ハルタさんも一枚書いてくれて、一緒の封筒に入れた。 俺としてはそれで充分だと思ったけどハルタさんの意見は違っていて、腕によりをかけてミートローフを...

a piece of cake] a piece of cake(9)

 概要:  えー、と俺は頬をふくらまさずにいられない。「もうじき十九だよ。あと一年なんだからおまけしてよ。細くてダメって言うならハルタさんが太らせてくれたらいいんだよ、ヘンゼルとグレーテルみたいにさ」 俺の反論に、ハルタさんは笑う。俺は魔女の婆さん役ってわけ? って言って。「きみを太らせるのはやぶさかじゃないけどね。でもさ、ヒナタくん。その前にいろいろ段階があると俺は思うな」「段階?」 俺が首を傾げると、ハ...

a piece of cake] a piece of cake(recipe)

 概要:  あの時牛乳が切れてなかったら、どうなっていただろうね? いや、きみよりもむしろ俺が。 平坦な人生を平坦に、淡々と生きて淡々と死んでたんじゃないかな。 それもまあ悪くはないけど、できればごめんこうむりたい。きみと出逢った、今となってはさ。  そう。あの時、運命だか神様だかの導きのもと、牛乳が切れた。 牛乳はポタージュづくりに欠かせない。なので俺はすぐに買い物に出た。まだぎりぎり、商店街のスーパーが...

a piece of cake] a piece of cake◆あとがき

 概要:  a piece of cakeとは、「朝飯前」「楽勝」という意味だそうです。 一片のケーキを食べてしまうくらい簡単、というところから転じて、そういう用法で使われるんだとか。 こんなの何でもないよ、大丈夫だよ。そういうお話を書きたくて、それで誕生したのがハルヒナでした。 読み切りのつもりで書いたものですが、もしも許されるなら、またいつか続編を書きたいです。 ドキドキ・デート編、とか。ファーストキス編とか。ついに...

memo] 【愛唱歌】春を歌にして

 概要:  リハビリとご挨拶を兼ねた短編「a piece of cake」、無事連載終了しました。お付き合いいただきましてありがとうございました!  今日から「ビターエンド」の連載に戻るつもりだったのですが、随分間が空いてしまったので、これまでのおさらいと愛唱歌をご紹介してから、再開することにいたしました。 というわけで、さっそくこれまでのあらすじをば。【これまでのあらすじ】 恋愛トラウマを持つゲイバイの医師・忍足渉は、顔...

ビターエンド] ビターエンド(28)

 概要:  背中、が、・・・寒い。 ぶるっと身震いをして、忍足は半覚醒状態のまま毛布を引っ張った。と同時に寝返りを打って腕を伸ばし、傍らを探る。「・・・・・・、」 しかし手のひらはどこまでもシーツの上を滑るだけで、そこにある筈の身体を探り当てることはできなかった。 片肘をついて半身を起こし、足元でくしゃくしゃになっていた毛布を引っ張り寄せながら辺りを見回す。 室内は真っ暗ではなく、薄暗い灯りがさしていた。光源は床の...

ビターエンド] ビターエンド(29)

 概要:  感心しながら、なおも子猫を眺めていると、佐上がコホンと咳払いをした。「それよりさ、忍足先生。その毛布の下には何か着てるの?」「え? いや」 訊かれるがまま、毛布を少しくつろげてやる。すると佐上は途端にそっぽを向いて、本格的にゴホゴホと咳き込んだ。「ああ、いい。見せてくれなくていいから。ベッドに戻って寝て。俺もすぐ戻るから」「俺の裸なんか何回も、つい先刻だって見てるだろ。何を今更・・・あ、それに、あ...

ビターエンド] ビターエンド(30)

 概要:  こうして、佐上との同居生活が始まった。 忍足に割り当てられたのは、佐上が物置として使っていたという部屋で、家畜診療関係の本がぎっしり詰まった本棚のほか、折りたたみ式の家具が三点――ベッド、ワークデスク、椅子――隅に片寄せて置いてあった。「それなりに義理とかしがらみとかがあるんでね、研修獣医を期間限定で預かったりもするんだ。デスクと椅子はそういう時のための予備。実際の研修中はそんなの使ってるヒマないん...

ビターエンド] ビターエンド(31)

 概要:  問題は子猫のケージの設置場所なのだ。忍足はそう思う。 日中は佐上の診察室、これは別に構わない。忍足も日中は勤務に出ているので。問題は夜から朝にかけて、そして休日だ。ケージは、二階の佐上の自室へと移動されてしまう。 これについてはあらかじめ、佐上から説明を受けていた。 曰く。子猫はまだまだ手がかかる時期であり、世話をするのは佐上である。よって、佐上の目が届く場所に置く必要がある。本来は、安易にケー...

ビターエンド] ビターエンド(32)

 概要: 「・・・・・・」 平然とした顔をして人の痛いところを突いてくる。苦々しい思いを噛みしめながら、忍足は佐上から目を逸らした。そういえばこいつはそういう奴だった。 その佐上は、忍足を見据えたまま少しの間黙っていた。忍足が答えるのを待っているらしかった。こういう処も嫌味だ、と忍足はますます唇を固く引き結ぶ。 子猫に名前をつけてやらなければならないことくらい百も承知していたし、稔とつけるのはどうにも歪んでいると...

ビターエンド] ビターエンド(33)

 概要: 「なあ。おまえもそう思うだろ?」 と、これは手の中の子猫へと語りかけた。その子猫はというと、ぴゃー、と声をあげ、忍足の指に爪を立ててきた。一人前に痛い。「それは困った。俺は最初から少しも変わらず忍足先生のことが好きなのに。・・・ねえ?」 しれっと、という表現がぴったりの――と忍足は思う――口調で佐上は言ってから、忍足同様に子猫へと同意を求めた。人差し指を立て、子猫の小さな鼻筋を撫でてやっている。 子猫が...

ビターエンド] ビターエンド(34)

 概要: 「気障かなあ? こいつに合ってると思うよ。響きも、意味も」 一方、佐上は淡々とした態度のままだった。子猫の顎を撫でてやりながら、更に言う。「ノエルってつまりクリスマスのことでしょ。こいつの毛皮、白ベースに銀鼠の縞模様だから、コンクリートに雪が積もってるみたいで、ね、クリスマスっぽい。そもそもクリスマスって、なんとなくハッピーなイメージがあるしさ」「・・・・・・」 忍足のひねくれた部分が、反応しやすいフレ...

ビターエンド] ビターエンド(35)

 概要:  かくて、子猫はノエルという名で呼ばれることになり、日ごと週ごとにすくすくと成長していった。 自力排泄が可能になり、ミルクと離乳食の併用を始めたのと契機に、佐上はケージの設置場所を二階の自室に固定し、行動範囲を少しずつ広げていった。最初はケージの扉だけ開放し室内フリーに。次いで部屋のドアも解放して共有スペースもフリーに。 もちろん忍足も喜び勇んで自室ドアを解放した。佐上の忠告――かじられたり引っ繰り...

ビターエンド] ビターエンド(36)

 概要:  そう言われても、というのが忍足の正直な気持ちだった。実は、ノエルを拾って間もない頃、ペットショップを覗いてみたことがあるのだ。手近なところでデパートに入っているところを、何軒か。 しかし、デパート出店ゆえの特性なのか、それともペットショップ自体がそういうものなのか、そこは忍足には敷居が高すぎた。 あまりにも多彩なおもちゃの数々、そして独特の雰囲気。幼児語と極彩色が氾濫する子供用品売り場のような。...

ビターエンド] ビターエンド(37)

 概要: 「え、同じ家に住んでるのに別々に出かけるの? 一緒に行こうよ」 その日の朝。 佐上は勿論そう言ったが、忍足は断固として首を横に振った。今日の出で立ちは黒に近いグレーのスーツの上下に薄いグレーのワイシャツ。第一ボタンは留めず、ネクタイもしていない。昨夜あれこれ考えた挙げ句の着地点だった。「病院に顔を出して、入院患者を回診してから行く。十一時に店の前で集合――いいな?」 行き先も昨夜のうちに決めてあった...

ビターエンド] ビターエンド(38)

 概要:  とにかく。 いつまでもこうしてドアの前で、雑念にとらわれ続けていても仕方がない。忍足は半ば無理矢理思考を停止して、足を踏み出した。後は何も考えず、勤務先の病院へと向かう。 実のところは、忍足が担当している入院患者はいずれも安定していて、回診なら週明けで充分だった。少なくとも普段の忍足なら、休日をおして出かけていく必要は認めなかっただろう。 良くも悪くも合理的なこの方針は、既に院内に知れ渡っていた...

ビターエンド] ビターエンド(39)

 概要:  む、と途端に長谷川が眉を寄せる。その反応まで見届けて満足した忍足は、おもむろにキーボードを引き寄せると電子カルテにログインした。 部屋番号順に表示される一覧を呼び出し、担当患者の名を一人ずつクリックして、看護カルテも含めて一通り目を通していく。・・・皆、著変なし。「それはそうと長谷川先生はこの後デート? 何となく雰囲気がそんな感じだけど」 こう続けたのは、もう少し長谷川をいじってリフレッシュしたか...

ビターエンド] ビターエンド(40)

 概要:  ゆっくりと時間をかけて回診したのは、姑息な時間稼ぎ――あるいはせめてもの抵抗――だった。が、それに加えて、患者の家族につかまって病状説明をしたりもしていたので、病院を出るのは予想以上に遅くなってしまった。 それでも忍足は急がず、かといってもう悪足掻きもせず、待ち合わせの場所へと向かった。 この分だと二十分程度の遅刻だ。だが佐上は怒らないだろうという確信があった。「忍足先生、」 果たして佐上は、さして...
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