ただ好きだという、この気持ち。

□ 今だけ在ればいい。 □

星屑が降ってくるII(2)

 でもそろそろ、と向井は言う。リビングのソファにだらしなく座った姿勢はそのまま、それでも手にしていた学会誌を押しやってしまいながら。
「豪勢に、ってのが嫌なら、せめて外で美味いものを食うとか、どうだ? ほら、何だかんだで食事のことは殆どおまえがしてくれてるだろ。誕生日くらいは上げ膳据え膳でご馳走を――」

 一方の長谷川は床に直接座り込み、向井の足にくっつくような格好でソファにもたれるという、言わば定位置にいた。そこから向井を見上げ、くすくす笑いとともに言葉を差し挟む。
「上げ膳据え膳でご馳走じゃないですか、部屋鍋も」

 事実、これまでに向井が祝ってくれた誕生日は、鍋の支度も片付けも、ついでに食べている最中の鍋奉行も、全て向井がしてくれた。
 長谷川にとっては何よりの上げ膳据え膳なのだ。

 とはいうものの、向井の気持ちも判らないでもない。
 十二月、向井の誕生日の時に、そろそろ今年は違うことをしませんかとさんざん提案した記憶が長谷川にはある。相手を祝う時は、もっともっとと思ってしまうものなのだ。

 だから長谷川はソファに片膝を乗せると、背筋と腕とを伸ばして向井を引き寄せ、やわらかくハグした。そうして、耳元に口をつけて囁いた。心をこめて。
「あのですね。向井先生と二人で過ごせることがもう、僕にはご褒美なんですよ」

 もしかして知らなかったんですか? と、笑みの残る声音で付け加えると、向井はムスッと口角を下げた。
「・・・知ってるけど。でもそれじゃ、いつもと同じじゃないか。誕生日なのに」


→ BACK
→ NEXT

にほんブログ村 トラコミュ 大人のためのBL、MLへ
大人のためのBL、ML
にほんブログ村 トラコミュ オリジナルBL小説・・・ストーリー系へ
オリジナルBL小説・・・ストーリー系




*拍手クリックで御礼SSに飛びます。
ぽちっと楽しんでいってくださいませ♪

*このお話が気に入ってくださった方はこちらも是非ぽちっと♪
ありがとうございます、大変励みになってます!

*    *    *

Information

Date:2018/07/04
Trackback:0
Comment:2

Comment

* 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2018/07/04 【】  # 

* Re: 何を贈ったらいいのか判らない人(^o^)

hちゃんこんばんは~♪

こちらも風がごうごう吹いてます・・が、野球はやるみたいで、電停が長蛇の列(>_<)
昨日は中止になったらしいからなあ。
しかし、まだまだ乗れそうもないわ~何本見送らないといけないのきしら~(棒)
台風がらみで、ただでさえ乗り物が混むのに! ムキー!

ところでクーラーね、かけて寝ると喉痛いわだるいわで、あんまり良くない・・けど寝れないよりましかなと(;_;)
くっそー夏なんか大嫌いよ! ってこれから百万回くらい言う羽目になりそうだわ(`Δ´)

何とかして涼しく寝る方法はないものかと思い、冷感抱き枕というやつを密林さんで買ってみた☆
アタリだと良いのですが、さあどうかな。

さてさて、今日も誕生日の祝い方でもめてます(^o^)
もう部屋鍋でいいじゃんねー。
プレゼント・・って、でも、向井先生のイメージじゃない気がする・・ってええー、待って待って?
今まで長谷川先生に買ってあげたものって、おさむさんとローションくらいなもん? (゜ロ゜)
私が忘れてるだけ?

や、それはどうかと思うわよ、向井先生!
でも長谷川先生も物欲なさそうだからなあ(>_<)
やっぱりあれだね、穿かせたいパンツとか脱がせたい服とかやね♪
(いや! いやいや、今回はそういう話じゃない予定だから!)
2018/07/04 【なか】 URL #hc9S4FeM [編集] 

コメントの投稿








 ブログ管理者以外には秘密にする

Trackback

TrackbackUrl:https://kisschoko.blog.fc2.com/tb.php/1471-5ccb0a66
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)