ただ好きだという、この気持ち。

□ ごめんなさい大好きです □

もう一度、もう二度と(23)

 午後から降りだした雨は、夜になってもやまなかった。
 傘を持ってきていなかった司は、病院を出るとまずコンビニに寄ってビニール傘を買った。
 ついでに何か、手土産の類でも――勿論それはコンビニじゃなく、ちゃんとしたところで。そう思わないでもなかったが、場違いでしかない気がしてやめた。

 向井と長谷川が住むマンションまでの道順は、まだしっかりと記憶に残っていた。
 前回は学と二人で辿ったルートを、今夜は一人で、黙々となぞる。
 足も、それに心も、重かった。この先、どんな展開が待っているのかがはっきりと予測できていたから、尚更。

 それでも、一縷の望みをかけて、司は目当ての部屋のインターホンを押した。
 が。
「・・・済みません。やっぱり学くん、近衛先生にはまだ会えないって」
 迎えてくれたのは長谷川と、そして向井だけ。
 学は、帰宅してはいるそうだが、長谷川の個室兼客室にこもったままで、リビングに出てきてはくれなかった。
「そっか・・・」

 そうなるだろうと思っていたのに、実際そうなると肩が落ちるのを止められなかった。
 そんな司に、向井は淡々とした動作でコーヒーを淹れてくれた。
「酒じゃない方がいいでしょう」
 そう言われ、司も頷く。
「今呑んだら、急性アルコール中毒で救急搬送される羽目になるからね」

 コーヒーは四人分用意され、カップのひとつは長谷川が洋間へと持っていった。
 部屋は違っても、同じ時に同じ飲み物を飲んでいる。その事実に司は、自分でも驚くほど慰められた。だからリビングで、向井にこう切り出された時も平静を保っていられた。

「事情は昨夜、学くんから聞きました。・・・学くんの希望と、それに対する近衛先生の意見も」


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Date:2018/09/29
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2018/09/29 【】  # 

* Re: チャーミーグリーン♪(でも手はつなぎたくない)

hちゃんこんばんは~♪
ああ~今日は平日の疲れと鼻炎薬とにやられて、ほぼ寝たきり状態でした(><)
明日は原稿できるかな! できないとやばいな!(泣)

んで、名前だけは可愛い「チャーミー」。どうなんだろね。
うちの町内では夕方に、早くも避難準備情報が出たよ。でも雨は時々強くなるものの、今の処はそれほど・・・これからなんだろうね(><)
しかもチャーミーの次のがもう発生してるというではないですか! その名も「コンレイ」で、再び沖縄に接近する恐れありとか。
もう! やめてよ、次から次へと!!
とにかく、無事通り過ぎてくれることを祈るばかり。どの地方にも被害が出ませんように!

あ、風邪は、うーん・・・良くも悪くもならずという感じかなあ。
鼻水がねー、イヤだよねえ。薬飲まないとどうにもならんから飲むけど、そしたら頭重くなるし眠くなるし。
でもこの段階のうちに何とかしたいところ。でないと、そうそう、1ヶ月は引きずる羽目になる(><)
hちゃんもお大事にね~~! 

さてさて、今日も司先生は学くんに会えずじまい。哀しい(´・ω・`)
でも、来てくれたってのは伝わったから!
司先生さ、場違いな気がしてとか言ってないで、鯛焼き買って持ってってあげればよかったのに~。
で、学くんが後から、ちょっと泣きながら食べるの。甘いはずなのにしょっぱい・・・あ、余計哀しくなっちゃった(`・ω・)
2018/09/29 【なか】 URL #hc9S4FeM [編集] 

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