ただ好きだという、この気持ち。

□ ごめんなさい大好きです □

もう一度、もう二度と(30)

 慌てて司は、裸足のままで三和土に下りると、大島の肩を抱えた。
「お義父さん、そんなふうに言わないでください。こういうことにどっちかが悪いってことはないんですから」
 
 言いながら、これは学の台詞だったなと思い、内心だけで苦笑する。ごめんな、俺も使わせてもらっちゃった。
 一方の大島はあくまでも真剣だった。キッと顔を上げ、断固として首を横に振る。
「今回に関しては学が悪いです。あいつは何を非常識なことを・・・司さんの気持ちも考えないで」
「お義父さん・・・」

 大島が司のことを、名前に「さん」付けで呼ぶのは、言うまでもないが学の影響だ。
 しかしこの呼び方が定着するまでには、結構かかった。「近衛先生」と呼ぶ習慣がなかなか抜けず、名前を呼び捨てにしてくれと司が言ってもそれは無理だと断言された。
 妥協点として「司先生」という呼び方が挙がったが、そこを学と二人がかりで粘って、ようやく「司さん」と呼んでもらうことに成功したのだ。

 だから普段、大島に「司さん」と呼ばれると、司は微笑ましいようなくすぐったいような感覚を呼び起こされ、どうしたって微笑ってしまうのが常だった。
 だが今はそんな余裕もなかった。大島を何度も促して部屋に上がってもらい、一旦リビングのソファに落ち着かせると、キッチンへ戻る。

「お義父さん、夕飯まだでしょう? 学くんが作り置きしておいてくれたおかずがあるんです。それと学くんが買ってくれたおかずも。一緒に食べましょう――というか、」
 一緒に食べてください、と、冗談めかして言ったつもりがひどく切実な声が出た。
 止める間もなくこぼれ落ちた、これは、本音というよりは弱音だった。
「一人の食事は辛いです。・・・辛く感じるようになってしまいました」


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Date:2018/10/06
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2018/10/06 【】  # 

* Re: お義父さん!!

hちゃんこんばんは~♪

台風台風! 雨は全然だけど、風がすごい! びゅおおおお、って言ってます。ひい!
あと空気のぬるさもすごい! 久々にクーラーつけて過ごしました。ひいい!

今日は朝イチで眼科に行って、ドライアイの目薬をもらってきましたが、私の次の次くらいに流行性角結膜炎疑いの人が来て、ひいいってなりました。
ウイルスこわいー。免疫力を上げるのが唯一の治療法とか、そう言われてもなかなか、ねえ。そういやまだ鼻水止まらないっす。つらいっす。

さてさて、今日の目玉はあれでしたか、学父!(^^)
お義父さん、って結婚したわけじゃないからそう呼ぶのは実はハテナなんだけど、大島さんって呼ぶのは司先生がイヤだったんだろーなーと思います。
学のお父さんだから俺にとってもおとうさんだ!的な。
でも学父は司先生のこと「くん」付けじゃなくて「さん」付けなんだよね。なんか自然にこうなりました。向井先生のこと、長谷川父が「くん」付けで呼ぶのも自然にああなったけど。なんか面白い(^^)

ああ、でもほんと、ここに学くんがいないのが切ないね!
この二人がこんなふうになったのは、学くんありきなのに。
学くーん、帰っておいでー(; ;)
2018/10/06 【なか】 URL #hc9S4FeM [編集] 

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