ただ好きだという、この気持ち。

□ ごめんなさい大好きです □

魔法のスイッチ(17)

「それで先生、何にしましょうか」
 次の長谷川の台詞がこれだった。
 え、と思わず訊き返した司に、長谷川は真面目な顔のままで短く答える。
「注文です」
「・・・あ、えーと」

 この辺の間合いは向井先生流だな。そんなことを思いつつ、司はメニューと壁の黒板――「今日のおすすめ」が書いてある――を交互に見やる。
「じゃあ、たこわさ、と・・・だし巻き玉子」
「あ、いいですね。えっと、それと、ねぎ焼き」
 気配を察して横に来てくれていた店員に、長谷川は続けてこう告げる。そればかりか、
「あと、軟骨のねぎ炒め。・・・あ、近衛先生、軟骨大丈夫ですか?」
「えっ? ああ、俺は平気・・・ていうかむしろ好きだけど」

 じゃ取りあえずそれでお願いします、と長谷川は告げて、店員の復唱にも穏やかな微笑で応えていた。
 しかし司としては気が気じゃない。店員が行ってしまった後、無意識に声をひそめて尋ねてしまう。
「長谷川先生、今の注文でいいの?」
「え、何がですか?」
 きょとんとして訊き返す長谷川に、ますますハラハラせずにいられない。
「だってあんな、ねぎばっかり頼んじゃって」

「・・・ああ、」
 クスッと長谷川が笑った時、たこわさとだし巻き玉子が来た。長谷川は司へとまず箸を勧めてから、自分も割り箸を取る。
 それから、いただきますと両手を合わせ、そのポーズを解いてからもう一度ニコリとした。
「向井先生なら大丈夫です。この後、呼ぶことになったとしても、きっと笑ってくれます。追加注文は多分、たこわさとだし巻きの方だけでしょうけど」

「・・・そっか」
 だから司も笑って、長谷川に倣って両手を合わせた。それから割り箸を割る。今度はパンと小気味いい音がして、綺麗に割れた。
  



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Date:2014/12/14
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このコメントは管理人のみ閲覧できます
2014/12/14 【】  # 

* Re: ありがとうございます~♪

こんにちは~&ご愛読ありがとうございます!

ハーイ、ねぎばっかりですよ(^o^)
やー、でもこれを考えるのって楽しかったです♪
居酒屋(今回は鉄板焼き屋だけど)で必ず頼むものは、このキャラの場合は何? っていうやつ。
ちなみに長谷川先生は、普段なら・・・何だろう。ベーシックに枝豆とかかな? 向井先生は揚げ出し豆腐ですね。前にも何か(タイトル忘れた)で頼んでましたし。

で、ノロケはまだまだ、これからが本番です。
しつこく小分けにして続きます。
いや、長谷川先生、気が張ってるんですよ。きっと(笑)
頑張る姿を、引き続き見てやってください♪
2014/12/14 【なか】 URL #hc9S4FeM [編集] 

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