ただ好きだという、この気持ち。

□ ごめんなさい大好きです □

魔法のスイッチ(25)

「腰ですか、いやはや、お恥ずかしい限りです。いえ私ね、先週から店に復帰したんですけどね、当初はやっぱりちょっと違和感ありましたね。様子を窺いつつといいますか。でももうすっかり。それにしても、トシには勝てませんねえ」
 なのに大島は、そんな司の胸の内を知る由もなく、そう言って笑う。ぱん、と両手で自分の腰を叩き、色の褪せた紺色のエプロンをつけた胸を張ってみせる。

「あ、くれぐれもご無理なさらないでください。ところで、あの・・・」
 息子さんは、とようやく尋ねたものの、途端に口の中がカラカラになった。
 こんな調子で大丈夫か俺、と、司は密かに舌打ちする。
 どうやら今は学はいないようだ、と判って、ホッとしている自分に、心底嫌気がさす。全くもって情けない。

「ああ、学ですか。あいつがお世話になったようで、どうも済みません」
 一方の大島は、細い銀フレームのメガネの奥の瞳を思いきり和ませる。口調こそ憤慨してはいるが、その表情で判る。息子のことをどう思っているのか。
「あいつね、昨日までは手伝ってくれてたんですけど。今日からはまたフリーターに逆戻りですわ。うちの近所のコンビニでレジ打ってますよ。それならこの店で働けって言ったんですけどね」

「そうですか・・・今日から」
 昨日までならいたんだ。
 そう思うと、取り返しのつかない失態をした気がした。
 いや、実際にしくじった。
 ・・・俺は、また。

「そのコンビニ、どこですか」
 そして。
 気づいたら司は、大島にこう尋ねていた。それだけじゃ伝わらない気がして、切迫した口調でこう付け加える。
「学くんがバイトしてるっていう、そのコンビニ。・・・どこなのか教えてください」
 




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Date:2014/12/22
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