ただ好きだという、この気持ち。

□ ごめんなさい大好きです □

魔法のスイッチ(28)

 司は本当に、学が休憩時間になるまで何時間でも外で待っているつもりだった。
 その日は当直明けで早く病院を出られたから、とはいえ院外に出た時点で既に午後三時を回ってはいたし、今はもう四時を過ぎて早くも陽が傾き始めてはいるけれど。でも暗くなっても、夜中になっても、待っているつもりだった。

 だが。
 予想に反して、五分足らずで学は出てきた。コンビニのマークが入ったエプロンも外して、ジーンズと綿シャツの上にブルゾンを引っかけて。

 とはいえ表からではなかったので、コンビニの出入り口付近に立っていた司は急に背後から声を掛けられる格好になった。そういう意味でもすっかり驚いて、咄嗟に素に戻ってしまった。

「・・・ここから出てくるとばっかり思ってた」
 風に翻るおでんの暖簾を見上げて司が言うと、学は小さく笑う。その口元で、息が白く濁って風に流れた。
「裏口、あるんで。店員はそっちを使ってます。・・・近くに児童公園がありますから、そっち行きましょうか」

 先に立って歩き出した学の後ろに従いながら、司はまじまじと学の後ろ姿を見つめた。
 身長は司とほぼ同じだが、体型は違う。当然と言えば当然の話なのだが。そもそも学とは、年齢が十歳近く違う筈なのだ。学は今時の若い子らしく、手足が長くて腰の位置が高い。
 否、それよりも司としては、学の首筋や手首の辺りが気になった。記憶にあるより痩せた気がする。
 俺だって、と司は自分のBMIを思い出そうとしてみる。確か標準値を下回っていた筈だ。今のこいつ、それより更に下じゃないのか?

「・・・仕事抜けてきて大丈夫?」
 だが、口から出てきた言葉はこんなものだった。
 というより、ちょっと痩せたかなんて大きなお世話だろうと思った。失恋の痛手じゃないのかとでも言いたげに聞こえる気がして、言葉にするのは気がひけたし。

 そんな司を、学は肩越しに振り返ってまた微笑む。
「大丈夫です。同じくバイトで喫煙者がいて、タバコ休憩の時カバーしてやってるんで。そいつも俺も、あのコンビニでのバイト結構長くて、気心知れてんですよ。・・・ま、俺は今日からの出戻りですけど。・・・近衛先生はタバコは?」




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Date:2015/01/01
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